逢いたかった。
ただ、逢いたかった。
一目だけでも逢えれば良かった。
いや違う。
本当は愛してもらいたかったのだ。
あのマンションで抱き締められたかったんだ。
「妹だよ。妹だったんだ。大好きなのに……」
私は泣きながら立ち上がった。
「初恋の人が、本当は兄弟だったんだ。兄だったんだ」
私は遂に告白していた。
そしてそのままその場を離れた。
振り向きたい。
本当はアイツの傍で甘えたい。
でもそんなこと出来るはずがなかった。
私は泣きながら走りだした。
こんな醜態アイツに見せたくなかった。
歌舞伎町はクリスマスのイルミネーションで輝いている。
私はその中を新宿駅まで駆け抜けて来た。
同じ道を通れと言われても絶対に出来ない。
私はパニック以上に興奮していた。
気が付いた時、私はボストンバックを抱えていた。
どうやら私は荷物を取りに、一旦アイツのマンションへ戻ったようだった。
気持ちに余裕もない。
それなのに……
でもそれはきっと決意の表れだと思う。
私はもう二度とアイツに会うことがないように配慮したのではないかと思った。
再び、東京には戻って来ない。
私は強く決意していた。
私は失恋の傷みを再び抱え、田舎に戻る列車のホームにいた。
アイツに秘密を知られたから、もう東京には戻れない。
(何故告白したの? 判るはずないでしょう? アイツのこと考えなかったの? アイツのこと? そうよ、アイツのことよ。これからもアイツは彼処で働かなければいけないのに)
そんな自問自答を繰り返す。
本気で本当の兄貴を愛した私。
アイツはどんな顔をしたらいいのか解らず戸惑っていた。
だから逃げたんだ。
アイツにそんな辛い思いをさせた自分が許せなくて。
歌舞伎町はきっと今頃クリスマスのイルミネーションで輝いている。
そんな中で、ジンと呼んだ人達の相手をしている。
ジン……。
それがアイツの源氏名。
(まさか……神野から?)
私の名前は神野みさと。
母方の名前じゃなかったの?
もしかしたら母は、離婚した夫の姓を名乗っていたのだろうか?
(あれっ!? 確かお祖母ちゃんも神野だったんだ。ってなると母は? 一体誰だ?)
ただ、逢いたかった。
一目だけでも逢えれば良かった。
いや違う。
本当は愛してもらいたかったのだ。
あのマンションで抱き締められたかったんだ。
「妹だよ。妹だったんだ。大好きなのに……」
私は泣きながら立ち上がった。
「初恋の人が、本当は兄弟だったんだ。兄だったんだ」
私は遂に告白していた。
そしてそのままその場を離れた。
振り向きたい。
本当はアイツの傍で甘えたい。
でもそんなこと出来るはずがなかった。
私は泣きながら走りだした。
こんな醜態アイツに見せたくなかった。
歌舞伎町はクリスマスのイルミネーションで輝いている。
私はその中を新宿駅まで駆け抜けて来た。
同じ道を通れと言われても絶対に出来ない。
私はパニック以上に興奮していた。
気が付いた時、私はボストンバックを抱えていた。
どうやら私は荷物を取りに、一旦アイツのマンションへ戻ったようだった。
気持ちに余裕もない。
それなのに……
でもそれはきっと決意の表れだと思う。
私はもう二度とアイツに会うことがないように配慮したのではないかと思った。
再び、東京には戻って来ない。
私は強く決意していた。
私は失恋の傷みを再び抱え、田舎に戻る列車のホームにいた。
アイツに秘密を知られたから、もう東京には戻れない。
(何故告白したの? 判るはずないでしょう? アイツのこと考えなかったの? アイツのこと? そうよ、アイツのことよ。これからもアイツは彼処で働かなければいけないのに)
そんな自問自答を繰り返す。
本気で本当の兄貴を愛した私。
アイツはどんな顔をしたらいいのか解らず戸惑っていた。
だから逃げたんだ。
アイツにそんな辛い思いをさせた自分が許せなくて。
歌舞伎町はきっと今頃クリスマスのイルミネーションで輝いている。
そんな中で、ジンと呼んだ人達の相手をしている。
ジン……。
それがアイツの源氏名。
(まさか……神野から?)
私の名前は神野みさと。
母方の名前じゃなかったの?
もしかしたら母は、離婚した夫の姓を名乗っていたのだろうか?
(あれっ!? 確かお祖母ちゃんも神野だったんだ。ってなると母は? 一体誰だ?)


