その騒ぎを聞き付け、中から人が出て来た。
「みさとちゃん!?」
いきなり声が掛かった。
その方向を見ると、アイツが立っていた。
「お兄さん!!」
苦しい息の下で、無意識の内に思わず叫んでしまっていた。
でも又呼吸が暴れる。
「もしかしてパニック障害か?」
アイツはそう言うなり、私の傍に飛んできて人口呼吸を始めた。
私の唇にアイツの唇が触れた。
そう、それはマウスツーマウス。
口づけするかのような体勢で、アイツの息が私の喉の奥へと送られる。
「ギャーっ!!」
「ジン止めて!!」
悲鳴がこだまのように襲ってくる。
私は何が何だか解らず、アイツに唇を委ねていた。
意識が朦朧とする中、私は夢でも見ているような感覚に襲われていた。
辺りはパニック状態に陥っていた。
でも私はただ呆然としていた。
私は別次元の思考にいたのだ。
私はさっきお兄さんと呼んでしまったらしい。
本当は記憶が無い。
その時の私はあまりに興奮していて常軌を逸していた。
そんな発言した覚えも無い。
どうやら削除してしまったらしい。
私は一時的な健忘症になってしまったようだ。
それでも私は自ら発した言葉をに驚いていた。
何を言ったのかは忘れたが、重大なことだったような気がしていた。
私は何が何だか解らずにいた。
でもそんな私を他所に、アイツは一生懸命に人口呼吸をしてくれていたようだ。
「もしかしたら、弟から聞いたのか?」
アイツの言葉に愕然とした。
私はどうやらお兄さんと呼んでしまったらしい。
全く記憶がない。
言った覚えもない。
私は否定したい事実を、本当は認めてしまったのだろうか?
でも確かに私はお兄さんと呼んでいたのだ。
頭の中では判っていた。
本当はそれを認めたくなかっただけだった。
だから言った事実を封印してしまったのだ。
それだけではない。
あのマウスツーマウスも記憶には留めておけなかったのだ。
それは全て夢うつつ……
ぼんやりとした感覚だけが其処にはあった。
そんな中……
アイツが私の兄貴のことを、弟だと言った事実だけが頭にコビリ着いていた。
「みさとちゃん!?」
いきなり声が掛かった。
その方向を見ると、アイツが立っていた。
「お兄さん!!」
苦しい息の下で、無意識の内に思わず叫んでしまっていた。
でも又呼吸が暴れる。
「もしかしてパニック障害か?」
アイツはそう言うなり、私の傍に飛んできて人口呼吸を始めた。
私の唇にアイツの唇が触れた。
そう、それはマウスツーマウス。
口づけするかのような体勢で、アイツの息が私の喉の奥へと送られる。
「ギャーっ!!」
「ジン止めて!!」
悲鳴がこだまのように襲ってくる。
私は何が何だか解らず、アイツに唇を委ねていた。
意識が朦朧とする中、私は夢でも見ているような感覚に襲われていた。
辺りはパニック状態に陥っていた。
でも私はただ呆然としていた。
私は別次元の思考にいたのだ。
私はさっきお兄さんと呼んでしまったらしい。
本当は記憶が無い。
その時の私はあまりに興奮していて常軌を逸していた。
そんな発言した覚えも無い。
どうやら削除してしまったらしい。
私は一時的な健忘症になってしまったようだ。
それでも私は自ら発した言葉をに驚いていた。
何を言ったのかは忘れたが、重大なことだったような気がしていた。
私は何が何だか解らずにいた。
でもそんな私を他所に、アイツは一生懸命に人口呼吸をしてくれていたようだ。
「もしかしたら、弟から聞いたのか?」
アイツの言葉に愕然とした。
私はどうやらお兄さんと呼んでしまったらしい。
全く記憶がない。
言った覚えもない。
私は否定したい事実を、本当は認めてしまったのだろうか?
でも確かに私はお兄さんと呼んでいたのだ。
頭の中では判っていた。
本当はそれを認めたくなかっただけだった。
だから言った事実を封印してしまったのだ。
それだけではない。
あのマウスツーマウスも記憶には留めておけなかったのだ。
それは全て夢うつつ……
ぼんやりとした感覚だけが其処にはあった。
そんな中……
アイツが私の兄貴のことを、弟だと言った事実だけが頭にコビリ着いていた。


