翌日。
電車で就活会場へ向かうために私は朝の駅にいた。

意を決した。
それが正解かな?
ただ恐れているだけじゃなく、行動にでなければいけないと思ったんだ。


公共職業安定所がハローワークと言うようになって久しいと聞いた。

お役所なので開庁と言うらしいが、流石にまだ閉じたままだった。


「早すぎたみたい」
私は独り言を呟きながら、誰か居ないか探した。

職員の駐車場と書いてある広場へ向かい、其処にいたスタッフらしき人に名札を返しに来た旨を伝えた。


その人は目を丸くしたが、快くそれを受け取ってくれた。


これで役割は終了した。
何故かそう感じた。




 私はその足で、すぐにアイツのマンションに戻ろうと思っていた。

私と同居していた時、お昼を一緒に過ごしていたからだ。

その時間までにはどうしても戻りたかったんだ。

又駅に向かいホーム電車を待った。
足元を見ると何やら書いてあった。

それは其処に何両目が到着するのかが解るようにした案内だった。


(へぇー、東京の電車って凄いなー)

そんな物、田舎にはありっこない。
だから私は親切だと思ったんだ。


私は其処にやって来た電車で最寄り駅方面に向かった。

女性専用車両に上手く乗車することが出来、内心ホッとしてる。
私は安心しきったのか何故か深い眠りについていた。




 きっと、慣れない東京で疲れていたのだと思う。
私は何だかふわふわしていた。


ふと目覚める。
その時私は慌てた。
バックの中に財布の無いのに気付いたからだった。


私は用心深く、ショルダーバッグを斜に掛けていた。
万が一誰かが手を掛けたら、判るようにと。

でも結局盗られてしまったのだ。

全身から気が抜けて行く。


(スリだ。私が寝てる間に持っていかれたんだ)

私はそう思い焦った。

その中には、東京での生活資金が全て入っていたのだ。


私は慌てて次の駅で飛び降りた。

そして改札口から出て、真っ直ぐに駅前に向かった。


急いで駅前にある交番に飛び込んだ。

でも私はしどろもどろになっていて、上手く話が伝わらない。