『磨けば光る原石』
だと、社長は言った。


でもぷに子の条件を聞いた時私は驚いた。

母が百五十六で五十キロだったからだ。

私は母を痩せていると思っていた。
でも後二キロでぷに子だなんて……
信じられないのだ。




 社長は他にも貴重な話をしてくれた。
それは痩せの大食いの秘密だった。


最近解ったことで、体内ホルモンのGLPー1が関係しているらしいのだ。
元々誰でも持っているホルモンで、人によっては太らなくしてくれるらしい。

そのホルモンの放出先が小腸の下の部分にあるらしいと言うことも判明したようだ。


つまり、そこまで辿り着ける成分。
食物繊維が最も有効だと言うことが判ったのだ。

数ある野菜。
そのなかで最も含まれているアボカドだと言うことだ。

その他ヒジキやカボチャの煮物にも豊富に含まれているらしい。

アンコもその一つだ。

私はアンコをそのまま凍らせて食べるのが好きだった。


(理に叶っていたのかもしれない?)

私は素直にそう思った。




 それともう一つ、大切な痩せる成分はEPAだと言われた。
これは青魚に多く含まれているものだ。

特に鯖が一番だと聞いた。


だからかと思った。

母は海鮮工場で魚をさばいていた。
残りの頭などは良く食卓にのぼる。


『此処に含まれている成分は頭にも体にも良いの。だから残さないで食べてね』
母は良くそう言っていた。




 それはDHAのサラサラ成分だと言うことだ。


これも青魚に多く含まれているものだ。

これは鮪の頭が一番だと聞いた。


レモンなどのクエン酸より効くそうだ。

母は海の側に生まれたことを感謝していた。




 アボカドとマグロ。
それは最強の組み合わせなのかも知れない。


痩せるホルモンGLPー1と食物繊維にEPAとDHA。

それらの組み合わせによって太り難くなる体になっていくようだ。


鯖の缶詰めは手頃な価格で、栄養豊富。
ダイエットには欠かせない品物になる予感がしていた。


鰯や鯖などを缶詰めにすると栄養価が高まると聞いた覚えがある。


私は無性に母の手料理が食べたくなっていた。