――ビクッ!!

それは突然訪れた。

まるで稲妻に撃たれたように背中から全身に戦慄が走る。


「もう感じているのか? 流石いい身体してる」

誰かが何かを言っている。

そして又、胸元に触れる何か……
柔らかくてそれでいて尖った物だった。
私は衝撃に耐えようとして体を仰け反らさせた。


(あーぁ、舌だ。舌に違いない。今乳首を舐められたんだ。もしかしたらさっきのも?)

頭の中でぐるぐる思考が駆け巡る。
悪い方向へと持って行かれそうになる。


(イヤだよ。絶対にイヤだ!!)

声に出して叫びたい。
でも、恐怖心が先にたって上手く発声出来なかった。


それでも私は最後の抵抗を試みようと体を思いっきり捻った。


その途端、私を押さえつけようとして複数の手が体にまとわり付く。

それでも必死で体を捩り続けていた。




 それでいて、心の中では落ち着こうと努力する。
でも出来る訳がない。

私の頭は更に混乱していた。


「い……」
それでもやっと……、一言だけ声が出た。
頭の中で整理が出来た訳じゃない。
何か言わないと遣られると無意識に判断したのだ。


「い……、イヤー!!」
そして、その一言は次の言葉に繋がった。

これで安心なんて出来る訳がない。
でも必死に状況を判断しようとしていた。


(私は今襲われている? 私の体には数本の手がまとわりついている? 洋服が脱がされようとしている?)

でも……それはそう感じているだけ。
本当は何も見えない……

何故見えないんだろう?
目でも瞑っているのだろうか?
だから思いっきり目を大きく開けてみた。
それでもまだ見えない。

薄暗い……

でも微かに感じる光。


(あっ、目隠しか?)
私の思考回路はやっと其処に落ち着いた。


でもその途端再度恐怖心に襲われる。

此処が何処だか、何人いるのかも判らない。
ただ肌にあたる感触は、複数居ると判断していた。




 頭は完全にパニック状態に入っていた。


(レイプ!?)

それでも、そう思えるまで大した時間はかからなかった。


(あ、ヤバい! ヴァージンが奪われる)

そう……
私はまだ、誰からも愛されていない。

愛されることを受け入れてもいなかった。