無垢・Age17

 親父は電話で、あの愛の鐘を建設することになったと言っていた。

嘘だと思った。
昨日お披露目したばかりだから信じらる訳がないのだ。


でもアイデアを聞いて、更に耳を疑った。

その鐘が神父様のいないチャペルの一部にするらしいのだ。


つまり、二人だけで愛を誓う場所になるようだ。


其処にあるのは、小さな写真スタジオ。
それを橘遥さんの旦那になる人に任せるそうだ。


つまり、俺達の住んでいる場所が彼女達の新居になる訳だ。


「早速みさとに……」

そう言ったら止められた。
みさとを驚かしたいそうだ。


「よし、又サプライズだ。実はみさとの誕生日が四月一日なんだ。それまでになんとか完成させてくれないか?」

勿論無理難題に決まっている。
でも俺はみさとを驚かしたいんだ。

そして……
喜びの涙を流させてやりたい。

その日にみさとが最も気に掛けていた、橘遥と再会させたくなったんだ。




 「ありがとうございます。私もあの娘を驚かせてやりたい」

橘遥さんはそう言った。
その時思った。

橘遥さんの結婚式を其処で挙げてしまおうと。


橘遥さんが親父の会社の社長令嬢だったなんて、みさとはきっと驚くぞ。

俺はワクワクしながら又自転車で走り回っていた。


そして驚いたことに、入社式も其処で行うことになったのだ。

愛の鐘をアピールするためだった。




 『申し訳ありません。お嬢様に深い傷を与えてしまいました』

社長室に通された直後に彼は土下座をして謝ったそうだ。


『いえ、誉めて上げてください。この子じゃなければ見付け出すことは出来なかったと思います。彼女の心を助けようと、彼女を育児放棄した人を探し出そうとしたから……』

彼の母親はその日、橘遥さんの皮肉な運命を嘆いたようだ。
そして、全てが二人を結び付けるための軌跡だと知って、彼を擁護したのだ。


その後親父が呼ばれ、愛の鐘を造作することが決まったみたいだ。


彼からのプレゼントは指環だった。


それを買うために一生懸命アルバイトしたんことを知った社長は、彼のためにスタジオをプレゼントしようと思ったようだ。