無垢・Age17

 「日本ではそうみたいだね。でも他の国では誰から告白してもいいんだよ。だから、俺からの告白。みさとはそのままがいい。ホームステイした時のあのままの少女で居てくれたら嬉しいけど」
俺はそう言いながら、そっとみさとの手を握った。

本当はドキドキしてた。
これからみさとにある頼み事をしなければいけないからだ。




 俺はみさとをあのマンションへ誘うつもりだ。
其所には俺達の大切な人が待ってくれているはずだから……


でもその前にやることがある。
実は橘遥さんから連絡があった。

あの監督を告訴したいそうなのだ。
橘遥さんは監督から嘘を聞かされていたらしい。


もう既に完済された両親の借金の借用書を、以前所属していたタレント事務所で拾って。


それがいかにもまだ多額の借財があるかのように言われて、撮影されていたそうだ。


打ち合わせはしたいけど、みさとを巻き込みたくないんだそうだ。

だから……


「駅に着いたら暫くの間、俺の好きなようにさせてくれるか?

俺は突然言った。
みさとは疑いもしないで頷いた。




 「ごめん。これだけはどうしてもしてほしい」
そう言いながら俺は太めのリボンを手にしていた。


「目隠し!?」
みさとの声が裏返る。


「どうしても内緒の場所に連れて行きたい。でも嫌なら……」
俺はどうすることも出来なくて、ただ愛想笑いをした。


「いいよ、試してみて。私も早く克服したいから」

本当は怖がっている。
いやで仕方ないのが、見た目で判る。

でも俺がみさと危害を加えることなど絶対に無い。

と信じてるようだ。


だからみさとは目を瞑ってくれたんだ。




 途中下車した駅は全く知らない駅のはずだ。

みさとは目隠しされたままで喫茶店に置き去りにされていた。

俺は急いで橘遥さんの代理人と会い手続きを済ませてから通っていた大学へ向かい卒業論文を提出していた。



でも俺は駅に着いた途端に焦った。
だって駅名アナウンスが鳴り響いていたからだ。

だからみさとにはおおよその見当は出来たようだ。


連れて行った先。
それはあのマンションだった。
たとえ……何も見えていなくても判るようだ。
俺が驚かせようとしているのだと――。


でもそれはサプライズ好きの俺だからな……

抜かりはないよ。