俺はバレンタインデーの日にみさとを又東京へと誘った。
お世話になった方々に挨拶回りをするためだった。
でも、それはたてまえなのだ。
俺は悪巧みを沢山していたのだ。
高校三年の生徒は期末テストや追試が済むと、週一の登校になる。
受験勉強や就職活動を円滑に進めるためらしい。
だから特別に休暇をもらった訳ではないのだ。
でも生徒には不評のようだ。
バレンタインデーに学校に行けないのは、恋する乙女にはキツ過ぎる試練だったのだ。
「バレンタインデーって何の日だ?」
上り電車の中で突然俺は聞いた。
「女の子が男の人にチョコをあげる日」
みさとはチョコンと首を傾げながらも素直に答えてくれる。
「えー知らないの? 本当はね」
俺は勝ち誇ったように言った。
本当は、みさとの仕草が可愛過ぎて物凄く動揺していたんだ。
「本当は知ってるよ。確か戦争で戦地に赴く兵士に結婚式を挙げさせたからバレンタイン牧師が処刑された日だって……」
(えっ!?)
驚きのあまり、言葉を失った。
バツが悪そうに笑うしか選択肢は無くなっていることに気付いた。
「一体いつ調べたんだ? みさとに尊敬されたかったのに」
俺はこともあろうに拗ねていた。
「ジン。私成長した?」
まじまじと俺を見つめる瞳に狼狽して、視線を外して頷いた。
「家庭科の宿題だったの。でもまさかの話だった。もっと素敵な謂れだと思っていたんだ」
そうだよな。
普通、もっと素敵な由来を想像するよな。
恋人の祭典として名高いバレンタインデーなら……
「日本人って不思議だよね。世界中の色々な風習を取り込んで商売にしてしまう。バレンタインデーはチョコレート屋の戦略だし、節分の丸かぶり寿司だってそうだろ?」
取り乱した姿を押し隠すように、話を摩り替えていた。
みさとは一応頷いた。
だって、産まれた時からきっとバレンタインデーはあったと思うし……
ま、恵方巻きは最近だとは思うけどね。
「でも俺はそんな日本人が好きだ。」
そう言っていた。
「外国じゃ違うの? 女の子からじゃないの?」
俺の言葉を聞いてみさとはが問いかけた。
お世話になった方々に挨拶回りをするためだった。
でも、それはたてまえなのだ。
俺は悪巧みを沢山していたのだ。
高校三年の生徒は期末テストや追試が済むと、週一の登校になる。
受験勉強や就職活動を円滑に進めるためらしい。
だから特別に休暇をもらった訳ではないのだ。
でも生徒には不評のようだ。
バレンタインデーに学校に行けないのは、恋する乙女にはキツ過ぎる試練だったのだ。
「バレンタインデーって何の日だ?」
上り電車の中で突然俺は聞いた。
「女の子が男の人にチョコをあげる日」
みさとはチョコンと首を傾げながらも素直に答えてくれる。
「えー知らないの? 本当はね」
俺は勝ち誇ったように言った。
本当は、みさとの仕草が可愛過ぎて物凄く動揺していたんだ。
「本当は知ってるよ。確か戦争で戦地に赴く兵士に結婚式を挙げさせたからバレンタイン牧師が処刑された日だって……」
(えっ!?)
驚きのあまり、言葉を失った。
バツが悪そうに笑うしか選択肢は無くなっていることに気付いた。
「一体いつ調べたんだ? みさとに尊敬されたかったのに」
俺はこともあろうに拗ねていた。
「ジン。私成長した?」
まじまじと俺を見つめる瞳に狼狽して、視線を外して頷いた。
「家庭科の宿題だったの。でもまさかの話だった。もっと素敵な謂れだと思っていたんだ」
そうだよな。
普通、もっと素敵な由来を想像するよな。
恋人の祭典として名高いバレンタインデーなら……
「日本人って不思議だよね。世界中の色々な風習を取り込んで商売にしてしまう。バレンタインデーはチョコレート屋の戦略だし、節分の丸かぶり寿司だってそうだろ?」
取り乱した姿を押し隠すように、話を摩り替えていた。
みさとは一応頷いた。
だって、産まれた時からきっとバレンタインデーはあったと思うし……
ま、恵方巻きは最近だとは思うけどね。
「でも俺はそんな日本人が好きだ。」
そう言っていた。
「外国じゃ違うの? 女の子からじゃないの?」
俺の言葉を聞いてみさとはが問いかけた。


