無垢・Age17

 何度も身もだえたるみさとを俺は更に焦らす。
この際だから、徹底的にお預けだ。

甘ーい。甘ーいお仕置きだ。


バスローブの下にあんな仕掛けがあったなんて……
俺は完全にみさとの作戦に遣られた。

だからそのお返しだ。


『ふっ……』

小さな笑い声が漏れて、観念したかのように俺と向き合った。



 この時を待っていたかのように、俺は指をみさとの顎の下に持っていく。


そっと唇を上げ俺は自分の唇を重ねた。


何度か軽く触れ合うキスを交わして行く内に、次第に深くなる。
俺はみさとの柔らかな唇に溺れ、みさとは俺の作戦に溺れた。


押さえの効かない体は爆発を繰り返しす。

それでも二人は、肝胆相照らした。

全てをさらけ出して愛することに酔っていた。

何度も何度も寄せては返す波のように。


その波が……
何時か俺とみさととの命の絆になってくれたら嬉しい。




 そう思った矢先だった。


『そうだ……確か歌舞伎町でも』
みさとの言葉の意味を、あのマウスツーマウスだと理解した。


『目の前でみさとが苦しんでいるんだ。誰の目も気にならなかった。俺はみさとを助けたかったんだ』


『ごめんなさい。今まで忘れていたの。意識が朦朧としていたようで』

でもみさとはそう言った。


『えっ、嘘だろ?』

俺の頭は真っ白だった。
だけど、俺はみさとの手を取り、束縛するように指を絡めた。


『もう一度……解らせてやる……』

俺は予想外の言葉に戸惑いながらも、みさとの体に覆い被さり、顔を唇に近付けた。




 みさとの心から体から、ハロウィンの悪夢を追い出すために俺は全身全霊で愛した。

俺はただひたすら、愛情や感情をみさとに注ぎ続けたんだ。


もう、何処にも行ってほしくなくて……
ただ俺だけを見つめてほしくて。




 あの週刊誌の記事が出ると解った時、東南アジアに帰ろうと思っていた。

だからオーナーから借りた部屋を片付けたんだ。
ベッド一つだけ残して。

まさか其処へみさとが訪ねて来るなんて……


みさとの心に不安と焦りが広がったんだ。
きっとそれが、あのパニック障害と結び付いたのだ。


だからもう離したくない。

みさとを悲しませたくない。


俺はこれからもずっと、みさとのナイト。
まだまだ中途半端だけど、みさとを守る騎士になりたい。