無垢・Age17

 『良いだろ、減るもんじゃあるまいし……』

しかも、あの監督ときたらそう開き直った。
何を言い出すのかと思ったら……
みさとの耳には絶対に聞かせたくない男のエゴ発言だったんだ。

みさとは汚れを知らない無垢なんだ。
未成年の女子高生なんだよ。




 『本当に良かった。もし何があったらと気が気じゃなかった』
でも俺は、そう言いながら立ち上ったみさとのデニムの汚れ裾を払っていた。




 新宿駅西口から少し行くと暗いガードがあって、下を潜るとその先に歌舞伎町はある。

だから何時もは、ホストとして仕事へ向かうために其処を通っている。


東口は駅を挟んで反対側だから普段は通らない。

でもあの日は何故か……

だから俺はみさとに運命を感じたのだ。


だからこそ、愛しくてならなくなったのだ。


『私と間違えたの。早く追い掛けて』

橘遥さんが俺に向かって声を掛けていた。

俺はただ、みさとを救ってやりたかった。
みさとを拉致した汚い男達の手から……

ただそれだけで追い掛けたんだ。
でもその途中で気が付いた。
やっぱりみさとが大好きだってことに。

激しい怒りに任せて、アイツ等の車を追った。
その度に、どんどん感情が溢れて出す。


俺はその時、ホームステイの時に感じた恋の炎に焼かれ始めたのだ。
本当は兄妹かも知れないと思いながらも……




 あの現場を見た時俺は激高してしていた。

ベッドの上で、みさとは上半身が顕になっていたんだ。


ブラは外され、上着はビリビリに破られていた。


カアーっと、頭に血が昇る。
それと同時に恋しい感情にも火が着いていたのだ。

みさとをこんな目に合わせた連中をただじゃおかないと思ったんだ。




 俺は後先考えず、みさとにまとわり付く五人の男性達を排除した。


『この子がこんなにイヤがっているじゃないか!!』

だから怒りが収まらず、思わず叫んだのだ。


(良かった。無事で)

安堵の気持ちと焦燥とで俺は監督達に業を煮やしていた。


でもあの時既に、恋の猛火は俺を捉えて離さなかった。


だから、みさとが俺のマンションに泊まることになって焦ったんだ。

自分から言い出したくせに、後から震えが来た。

だからみさとに醜態を見せたくなくて、ホームステイの時のように紳士的な態度を取るしかなかったんだ。