「そ、それはっ……」
「まさかとは思うけど、シュン様？」
「違う！夜月はこんなこと、しないっ……！」
言ってたら涙が出てきた。
「こんなの、やだよ…。夜月に、会いたい……っ！！」
溢れ出した涙が止まらない。
止めようとするともっと溢れてくる。
「もしかして……貴女が、魔王の娘……？
黙って頷く。
しゃべることの出来る状況じゃない。
「ってことは、これはユリウス様ね。仕方がない……。」
「……？」
「貴女をここから逃がしてあげる。」
「え!?出来るんですか!?」
というか、まずこの人が助けてくれる事自体が謎だった。
（代わりに夜月を譲れとかないよね……？）
「なに、その顔。違うわよ、ただ気が向いただけ。それにシュン様はもう恋愛対象じゃないわ。」
……これは本気で助けてくれるらしい。
「それに、アノ皇が味方するんだから相当な子ってことだからね」
あれ、なんかすごいいい人なのか……？
とりあえず、逃げれる。
帰れるんだ……！！
