「あら、七海さんではなくて?」


1人取り残されてポツンとしていると声を掛けられた。
振り返ると、


「り、リアンさん!?」



リアン・レイオンがいた。

最悪だ。こんなときに。



「なんでいるんですか」

「そんな怖い顔をしないで下さいな。私はユリウス様が魔王の娘と契約する、とのことでしたので、見に来ただけですわ。」



魔王様に娘さんなんていたのですね、とブツブツいったあと私の方へ向き直った。


「貴女こそなぜここへ?貴女がいるということはシュンさまもー…っ!!」


リアンさんは急に目の色を変えて私にぐっと近付いた。


「あなた、これ誰にやられたの…?」


そう言って私のアノ傷口を触る。