「わぁ、すごい……!!」
空からみる夜景はすごかった。
キラキラした海みたいな。
「それにしても、やっぱり夜月って人間じゃないんだね。」
ボソッと呟いてみる。
夜月は私の耳にキスを落として、聞いた。
「嫌になった?」
そんなわけない。
「ううん、そんなわけないから。夜月が吸血鬼だって人間だって、私は夜月が好きだから。」
「……あんま可愛いこというな、ばか。」
照れくさそうに言った夜月だけど、数秒後にはイタズラな笑みを浮かべて
「まぁ、嫌いとか言われても、もう離すつもりなんてないから。覚悟しといて。」
月の光に照らされた夜月の顔は本気、としか言い様のない顔付きで、私はこれからこの人からは逃げられないな、と思った。