「七海には話しとく。」

「うん」

夜月は吸血鬼のことについて色々と教えてくれた。

吸血鬼には二種類あって、血であればなんでも構わないやつと、恋をして好きあってしまうと好いた相手の血しか飲めなくなってしまう吸血鬼がいるらしい。

夜月は後者で、何でも、その種族は好きあった相手が現れるまでは異性の血ならなんでもよくて、最悪の場合は飲まなくても生きて行くことは出来るらしい。



「だから吸血鬼は政略結婚ばっかりなんだよ。一人の血しか飲めないと後々めんどくさいから。」

「でも、夜月……は……。」


少し不安になって夜月を覗きこむ。


すると、ふわっと困ったように笑って


「好きになっちまったんだから仕方ないだろ?」


と言った。