舞台に出ると、スポットライトが当たる。
恥ずかしい……!
「え、エントリーナンバー23番、如月っ、七海です……っ!」
観客席からはきゃー、きゃー、という黄色い声やあんな子いたのか……という声が。
まぁ、ずっと屋上にいたからねぇ……。
『それでは、今年のミスコンのテーマである、恋!それについて質問&アピールしてもらいましょう!』
(ん、恋……?)
『如月さんは好きな人がいるとのことですが、その人への思い、お願いします!』
「へ!?あ、えっと……、その人はいっつも俺様で変な人です。だけど、根は優しくて、えっと……一緒にいると、ど、ドキドキするんです……っ!」
やっと言い終わると観客席からはきゃーわ可愛いー、など悲鳴っぽいものが。
……やめてくれ……!ハズイ…!
てか。これ。
(皇に嵌められたぁぁぁぁ!?)
『最後にその人へ一言!』
そう言われて顔をちょっとあげると。
最前列に夜月が。
(な、なんでいるのさ!?)
『如月さん?』
司会が私の顔を覗きこむ。
「え、えと。だ、大好きだよ、コノヤローっ!」
切羽詰まった私は。
夜月に向かって叫んだ。
そして走って逃走。
『以上、エントリーナンバー23番、如月七海さんでしたーっ!!』

