「ねぇ、七海~、泳ごーぜっ!」
「いやだ!離せぇぇぇ!」
今浜辺では七海VS皇の戦いが行われていた。
理由は簡単。
私が泳ごうとしないから。
てか、まず水着になろうとしないから。
いや、水着の上からパーカー羽織ってるだけなのだが。
「もー、なんのために海に来たと思ってんだ!」
「君たちのバカンス。」
ベシッ
ちょっとふざけて言ってみると、どこから取り出したのかデカイハリセンで殴られた。
「いったぁ…」
「はい、さっさと脱ぐ!」
「えっ!?やだよ!」
やーめーてー、と抵抗するが、皇には勝てず、パーカーを剥ぎ取られてしまう、が。
「……………っ!」
皇が私を見て吹き出した。
別に言うほど貧乳と言うほどでもない。
たぶん、平均よりは上だ。
皇が笑う理由は……
「あはははははっ!ふつー、海にスク水着てくるかよ!あははっ!」
そう。スク水。
正式名称、スクール水着。
だから嫌だったのだ。
昨日の深夜、突然皇から明日海に行く、と聞き探したのだがスク水しか見つからず、スク水を持ってきたと言うわけだ。
だが、しかし夜間の学校なので、プールなどあるはずもないわけで。
結局中3の時に着ていたスク水ということで胸が、なんというか、ものすごーくキツイのだ。いろいろな意味で。
「しょーがないじゃん!皇が深夜に連絡してくるから!」
「ごめんごめん!じゃあ、一個替えで持ってきたの、貸すから!」
「うー……、あとでかき氷もね」