あれから数分後、女の子は屋上から出ていった。


「やっと出てったか……」


しっかし、よくやるよな。夜月シュン。


「あ、七海じゃん?また聞いてたのかよ?」
「夜月シュン……」


声の聞こえた方を向くと、またあのイケメンがいた。


「……ここが私の定位置だからね。毎日いる。まぁ、単位のためにたまに授業には出てるけど。」
「へぇ……。てっきり俺に襲われたくて来てるのかと思ったけど?」
「黙れ、遊び人」


私がフイ、と顔をそらすと、私の耳に夜月シュンの息がかかるくらいの距離で……


「俺に夢中にしてやろうか?」


「……っ!い、いらない!」


と言って突きはなそうと夜月シュンの肩を押すが____……

バランスを崩してしまう。


(倒れる……っ!)




バサッ



「ん…………」

(……あれ?痛く……ない。)



「随分積極的なんだな、お前」



夜月シュンの上に覆い被さっていた。