「さて、着きましたよ。」

あのあと、馬車に乗って数分。
私とレンさんはとてつもなく大きな屋敷に来ていた。

「うわ、広っ……」

レンさんにエスコートされながら広いお屋敷の中を歩いていると……

「あ、夜月」

目の前に夜月がいた。
きらびやかな服を纏った美人さんと一緒に。

「おー、七海」

夜月に名前を呼ばれて近づいて行くと

「シュン様、どちら様ですの?」

美人さんがとてつもなく嫌そうな顔で私をみた。

「あ、如月七海といいます。レンさんのペアをやらせていただいてます。」
「そう。私はリアン・レイオンですわ。シュン様のフィアンセです。」


……フィアンセ?へぇ……。


「そう、ですか。よろしくお願いします。」

「おい、リアン!俺はお前とは結婚しねーと言ったはずだ!」
「いいえ、シュン様は私と結婚するのです。」



……ズキッ



……なんか、モヤモヤする。