タンタンタン……

薄暗い階段を一歩一歩音を立てながら登っていく。


向かう先はもちろん屋上。


今は授業中だし、こんな所には誰も来ない。
第一、休み時間だとしても、この学校はお嬢様だの芸能人だのが通う夜間学校だから、こんな薄気味悪いところには人っ子一人来ない。


ギィ……


重い鉄扉を押し、外へ出る。
すると、ひゅう、と横を冷たい風がすり抜けていった。

「あー、涼しー。」

そうつぶやきながら、定位置へと向かう。
私の定位置は貯水タンクの裏にある倉庫。
ここなら、教師にも見つからないのだ。

そして腰を下ろし、寝ようかな……
そう思ったところで違和感を感じた。