誠につもる白雪かな

凛「紙と筆を貸してください。」


そう言うと土方の机によった。



凛「もう戦は刀の時代じゃないって事は理解してますよね?」


土「悔しいがな。」


眉間に皺を寄せた。


凛「そこで、なんですよ。先日枡屋から引き上げた大量の武器は割と最新のものです。ただ、なにしろ球がよくない。」


土「みんな一緒じゃないのか?」


凛「違います。」


凛は筆をとった。


凛「今主にこの国で使われてるのは...丸い球ですよね。しかしこれは風の抵抗も受けて飛距離は出ません。当たっても急所を外せば被害は少ないでしょ?」


丸い絵を書いた。


土「確かにな。」


凛「そこで、こういう形が良いんです。」


土「なんだこれ?」


凛「楕円形ですが先は尖っています。こうすれば風の抵抗は少ないので速度も落ちないし殺傷能力も上がります。鉛職人に頼めませんか?」


土「なるほどな。掛け合って見る。」


凛「それから...薩摩は外国と貿易をしてると聞きました。今のうちに最先端の大砲や銃を手にいれて置いてください。」



土「なぜ急ぐ?」


すると凛は耳元で話し始めた。


凛「いずれ必ず役に立ちます...新撰組を上にのし上げるためにここは理解してください。」


土「...分かった。近藤さんに話して会津に掛け合う。鉛玉は山崎に頼んで腕の良い職人に頼む。」


凛「お願いします!」


土「山崎ー!」


丞「お呼びですか?」


土「この絵を持って腕の良い鉛職人の所にいけ。なるべく大量にこの形の球を頼みたい。頼めるか?」


丞「喜んで。」


凛久しぶりやなー!と頭を撫でながら土方に一礼して天井裏に消えた。


凛「普通に行けば良いのに笑」


土「あぁ。凛、ありがとな。お前がいると助かる。参謀みたいになってきたな!」


イタズラに笑う土方を見て凛も笑顔になった。