誠につもる白雪かな

ー元治元年7月10日ー


凛は左之助と縁側で将棋をしていた。



凛「もーー!わかんない!」


左「勝ったー!はい、凛の負けな!ソバ奢れよー!」


凛「分かったよー...」


総「楽しそうですね♪何してるの?」


沖田が永倉と平助を連れてやって来た。


凛「お疲れ様です!稽古は終わったの?」


新「あぁ。しかし暑いなー!」


平「本当!京は江戸より暑いとは聞いてたけどさぁー!」


手で仰ぎながら縁側に座る。



土「おいお前ら!」


総「げっ!土方さん!」


土「お前なぁ、人を化け物みたいに言うなよ」


総「あんまり変わらないじゃないですか...」


そう小声で言ったのだが土方には聞こえていた。


土「あぁ?」


総「何でもないですよー。」


左「副長が来るなんて珍しいな。なんかあったのか?」


すると土方は懐手にしてニヤリと笑いながら言った。


土「あぁ。長州が攻めて来るらしい。明日明後日には戦になると踏んでいる。そこでだ!隊士達の士気を高める為に今日は宴だそうだ!」


新「酒ー!」


左「島原ー!」


平「でもなんで突然?」


土「近藤さんが決めたことだ。凛の歓迎会もやってなかったしな。」


総「そうだねっ!」


不思議そうに顔をしている凛に土方が肩を組んだ。


土「お前が確か舞が出来るんだよな?芸者の格好してくれよ。」


総「なっ!やめてくださいよ!穢れた手で触らないでください!そんな目で凛を見ないでください!」


刀に手を掛ける沖田。


土「じょーだんだって。んな殺気出すなよ。」


沖田を見てニヤリと笑いながらじゃーなとヒラヒラ手を降りながら去って行った。