誠につもる白雪かな

2人は刀を腰にさし店を出た。



浪「てめぇ生きて帰れると思うな!」


見れば浪士が娘に刀を振りかざした所だった。



カシャン!!



総「穏やかじゃないですね...」


沖田は咄嗟に抜刀し浪士の刀を受け止めた。


総「下がってて。」


顔だけ振り返り言い、凛は娘を支えながら脇へと寄った。


浪「おのれ...新撰組の沖田総司だな!」


総「いかにも。新撰組の沖田総司です。」


一度距離を置いた浪士に微笑みながら答える。



浪「池田屋で殺された同志の恨み...果たしてくれるわ!!」


斬りかかって来た浪士と鍔迫り合いになる。


総「あれは...罪のない人を巻き込んで...京の町を焼き討ちしようとしたからっ!」

再び間合いを置く。


浪「ただの幕府の犬の癖に...やかましぃわぁー!!」


再び刀を振り被った浪士が気付けば既に沖田は男の間合いに入って三段突きを繰り出していた。


浪「ぐぁぁっ!」


刀を振り懐紙で拭うと静かに鞘へと納めた。


カチャ...



総「私を目の敵にするのは構いませんが新撰組を悪く言うのは許さない。」


そういった沖田の顔は今までみたこともないほど氷の様に冷たいものだった。