凛「四条木屋町、枡屋喜右衛門こと古高俊太郎。彼は肥後脱藩浪人の宮部鼎蔵等、攘夷派の過激浪士たちと親しかったようです。本人がそう言っていました。長州や肥後、土佐の浪人達は古高の奪還に向けてここにやってくるでしょう。なんとしてもその前に古高に吐かせなければなりません。そして彼らは古高が話すとは思っていない。よって、古高奪還のための会合を開くと思われます。」


土「して、その可能性は?」


凛「これは間違いないかと...土方さん、今すぐに枡屋の蔵の警備を厳重にしてください。腕の立つものを配置させるべきです。もしくはすべての武器を屯所に運んでください。奴らは奪い返しに来ます。昼前までには必ず。」


土「よし、分かった。永倉、お前斉藤と隊士を連れて枡屋に向かってくれ。武器弾薬は屯所に運びこめ。」


新「承知。」


永倉は斉藤を探しに出て行った。

そのほかの幹部は凛とともに軍議を再開した。


土「で、古高の奪還するって会議はいつごろやるか目星はついてんのか?」


凛「はい。おそらくは今夜...。過激浪士や宮部鼎蔵、そして...桂小五郎が集まるかと。」


総「一気にまとめてしとめるいい機会じゃないですか!!」


山「ですが、いかんせんどこでやるのか見当もつかない。ここは監察に頼みましょう。」


左「でもよぉ~肝心の古高がまだ話さないんだろ?あんな大量の武器でいったい何をする気だったんだか...」


平「考えただけでも恐ろしいですね...」


それぞれが複雑な表情で考え込んでいた。


凛「土方さん。私とともに蔵へ向かいましょう。」


近「凛さん!!あれは女子が見るものじゃない!!」


凛「大丈夫です。必ず吐かせます。」


総「僕も行きますよ!!」


凛「総司は待っていて。」


総「でも...」


納得のいかない総司に凛は耳打ちした。


凛「おそらく今夜ことが動く...だから総司は私の分も刀の手入れを頼みます。」


一瞬驚いたような顔をした総司は凛の分の刀を受け取ると真面目な顔をして出て行った。


凛「土方さん、行きましょう。」


土「あぁ。」


凛「平助くん、蔵の前で待機しててもらえますか?」


平「俺が?分かった。」


そういうと平助は左之助とともに蔵の前に向かった。