片想連鎖 ~伝えたい心~



廊下にも、通りすぎる教室にも、殆ど生徒は残っていないのを良いことに、半ばスキップ気味に廊下を走る俺。

反省文を書いている明奈に、何て話しかけようか?とか、どうやって謝ろうか?とか色々考えていたんだ。


それなのに…


明奈の教室の前で聞こえてきた【ナオ】って奴の話で全部吹き飛んだ。
俺は、明奈達からは見えていない戸の近くに立ちすくんでいた。


教室に入ればいいだろ…?
聞かなくてもいい事じゃねぇか…
動けよっっ…!!


そう思いながらも、まるで聞き耳をたてるかの様に聞いていたんだ。


『ナオは誰?ていうか、明奈の何?』
『…ナオは、私の中学の元カレです』
『何で、別れたん?原因は?』
『私が、必要以上に…ナオの事を”男”として意識しちゃったから!』


話の途中で『手しか繋いだことない』とは言っていたけど『男として意識した』の部分で、俺は過剰反応した。


知りもしない【ナオ】って奴に、嫉妬したんだ。


だから俺は、今まで明奈に近付き過ぎない様に細心の注意を払っていたのに、ギリギリまで明奈に顔を近付けてから話しかけたんだ。


俺の事を意識すればいいんだ。
ナオって奴より、俺の方を見ろよ…
過去の話だろ…?