--- 時は過ぎて11月下旬。
俺と明奈の距離は、なにも変わらぬまま。
まだ、俺が近寄ったところで怖がらせるだけだと思ったからだ。
明奈にちゃんとした笑顔が戻るまでは、
このままでいいんだ。
それからでいい。
俺が悠長にしていられたのは、言い方が悪いけど【鬼母ちゃん】の存在があったからだ。
俺は明奈の彼氏でもないのに、
明奈を守ってくれて
ありがとう
と、そう心で思っていたんだ。
明奈はまだ、ちゃんと笑いはしないものの、山口とムラムラの3人でいる時だけは、表情を柔らかくするようになっていた。
明奈が少しでも変われているのは、山口とムラムラの存在があるからなのは明らかで…
俺は、ゆっくり、ゆっくり、
明奈への想いを募らせながら、
笑顔が戻るようにと祈った…

