『まあ、でも…』
と、川口ははにかみながら話を続けた。
「学校で、あまり一緒に居られないのは確かに寂しいとは思うよ?心配してくれて、ありがとう。」
「や、…俺は別に…。」
「んー。それに僕はさ、目先の事は別にいいんだ。もっと先の方が、重要なんだよ。」
「は?目先?」
「いずれ、『山』が『川』になるってだけの話だよ。」
「山?…川?…はっ?」
俺が『山…川…山…川』と呟いているのを楽しそうに見ていた川口は、
『佐々木君。僕、委員会のプリント取りに行くから、またね。』
と言葉を残して教室を出て行ってしまった…。
『いずれ』『山』『川』のキーワードを並べた時、俺はやっと気付いたんだ。
【 山口 美樹 】
【 川口 爽 】
「川口のやつ…マジか?」
と、俺は不覚にも赤面してしまったんだ。
でも、穏やかで、相手を認め合えている川口達なら、有り得るかもしれないと、俺は思った…
********** 川口 美樹 **********

