体育館に響き渡る位の大声。
練習中だった男バスの部員も、動きを止めて明奈達の方へと視線をやった。
明奈は女バス顧問の先生に、口元へとビニール袋を押し付けられていた…。
「過呼吸…か…?」
過呼吸……
いや、でも、今は休憩中だったから
【運動】が原因じゃない。
だとしたら…【心因性】
明奈は呼吸が落ち着いてくるのと同時に、崩れ落ちる様にして倒れて…
俺は明奈の方へ走り出そうとした…けど…
明奈を担ごうとする山口、
『俺が連れてく』と言っているであろう先輩、
そのやり取りが目に入って、動きを止めた。
山口は、先輩の伸ばした手を振り払い、そして叫んだんだ。
「明奈に触らないで!!」
その後、山口が明奈をおぶい、中村が支えながら体育館を後にした…

