『はぁ……』
と、私がため息を溢すと、ナオが…

『明奈。落ち着いて聞いて欲しいんだ。』
と言って、私を心配するかの様な目を私に向けた。


「…うん。…何?」


「俺がここに来たのは、山口さんが決めたって言ったよね?」


「…うん。」


「山口さん、泣きながら俺に”明奈が壊れる”って言ったんだ。”助けて”って…。」


「美…樹……。もしかして…。」


「…うん。聞いた。1年の夏の話…。」


ナオは、そう言うと同時に手に持っていた缶を強く握り締めた…。


――― メキッ!


その音を聞いて、私は、緊張して体を強張らせた。


ナオは…きっと…

私を軽蔑した…

”汚れてる”…って…


私は強張った体を震わせて、何も話せなくなってしまった。


ナオに…

キラワレたくない…

でも、もう無理…