片想連鎖 ~伝えたい心~


そこまで話したナオは、その出来事を思い出していたのか微笑みを浮かべていた。


皆、私がナオを引き摺ってる事…
気にかけてくれていたんだ…
私がいつまでも動けずにいるから…


でも……


私はそこまで考えた後に、気になっていた事をナオに聞いた…。


「でも、ナオ?ここに来ちゃって、…良かったの?平山さん…多分、嫌がると…思うよ?」


ナオは最初の一瞬、驚いた顔をしたけれど、私の方を向きながら言ったんだ。


「平山とは、初めから付き合ってないんだ。」


「え?でも、街中で腕を組んで歩いてた…。」


「事情があって、付き合うフリをしていたんだよ…。明奈は、多分それを見たんだね。」


「…そっか。」


そう呟いた後、私は少しホッとしている自分に気付いて、それが本音だとは分かりながらも…


私って…嫌な子…


そう思わずにはいられなかった…