片想連鎖 ~伝えたい心~


私の考えている事が分かったのか、ナオはその疑問に答える様に話し出したんだ。


「俺を、ここに連れて来ようと考えたのは、山口さんの方だよ?明日だと、校外の人が増えるから今日にしたいんだ、って言ってた。」


「美樹が言ったの?!絵里じゃなくて?!ていうか、ナオ、学校は?!」


『本当に、山口さんだよ。学校は…初めてのサボり。ハハッ!』
と、そう言ったナオは、次から次へと色々な話をしてくれたんだ。


『この2週間で、明奈の友達と知り合いになっちゃった。』


『中村さん、強烈だね?俺の学校の前まで彼氏の柴田君?と来てさ、”ナオ!ちょっと付き合え。”って俺を連れ出して”明奈の病気を治す手助けして。あんたも傷付いてんのかも知んないけど、んな事どうでもいい。”って言ってた。柴田君は、隣でオロオロしていたけどね?』


『次に来たのは、葉山さんと佐々木君の二人。明奈の衣装の生地選びに付き合わされたんだよ?明奈が今着てるのは、俺が選んだんだ。良く似合ってる』


『最後に来たのは、上杉君と高田さん。高田さんは黙って隣に立ってたけど、上杉君が突然”アンタさぁー?付き合ってるヤツいないよね?”って聞いてきて、俺が答えたら何も言わずに帰って行ったし。…ハハッ!』


『明奈の友達は、皆”明奈”の事を大切に想ってくれているんだな…って、安心した。』



みんな…


私は、嬉しさで胸が熱くなり、両手をギュッと強く握り締めた…