---
-
修学旅行の1週間前に【性とは】という性教育の講話があった。
先生からの詳しい説明はなかったけれど、修学旅行で”間違い”がない様にする意図がある事は明らかだった。
その講話が済み、いつも通り部活に出て、いつも通りに明奈と手を繋いで帰るはずだった。
俺が、隣にいる明奈の手を繋ごうと手を伸ばした時、明奈は手を引っ込めたんだ。
不思議に思って覗きこんだら、明奈は顔を赤くしていた。
あぁ、今日の講話で俺を意識しているんだな。
そう思ったら、俺は嬉しくなって…
「明奈?今さら意識してるの?」
「っっ?!そ…んな事ないよ?!」
「そっか。それなら手、繋いでいいよね?」
「…うん。」
俺は明奈に”男”として意識された事に浮かれていて気付かなかったんだ…
明奈の異変に…

