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それから中2になるまではクラスが一緒になる事はなかったけれど、本の貸し借りは続いていたし、中学に入ってからは同じ部活になったりしていたから、疎遠になる事はなかったんだ。
中2になった明奈は、決まった女子達と良くお菓子の話をしていて、その時偶然耳に入ってきたんだ。
『明奈はお母さんがケーキ作りとか得意だから、明奈もそうなんでしょ?』
『う、…うん。とりあえずはね?』
そう明奈は答えていたけれど、俺からしたら明奈が嘘をついているというのは明らかだった。
その時、俺のいたずら心に火がついだんだ。
『じゃあ、藤原。今度、俺にクッキー作ってきて?』
俺がそう会話に乱入しながら言うと、明奈は驚きながら振り返って俺を見上げた。
『”藤原が”、作ったのを食べてみたい。』
と、俺は”藤原”を強調しながら言ったんだ。
俺を意識して欲しいと、願いを込めて。

