----- 俺と明奈が小学5年の頃。
それは、俺が明奈を意識し始めた年だった。
『○○君が○○ちゃんの事好きなんだって!』
その頃、クラスの皆が色恋沙汰で色めき立っていて、そんな話を男女問わずしていたんだ。
俺や明奈は”そんな事には興味がない”と言わんばかりに普通に接していた。
お互い読書が好きで、本の貸し借りもしたりしていたんだ。
それが、クラスの標的にされるかの様に、俺達が冷やかされる羽目になった。
『明奈ちゃんは、直哉君が好きなんでしょ?』
クラスの女子が、顔をニヤつかせながら明奈にそう言ったんだ。
俺は、趣味や気の合う明奈との関係を崩されたくなかった。
そう聞かれた明奈の反応が怖くて、俺は俯いていたけど、明奈はそんな俺の心配を拭い去るかの様な言葉を言ったんだ。
『岩倉君の事?好きだよ?』
明奈は多分、そんな色恋の話は疎いだけだったんだと思う。
でも、俺は明奈のその言葉に、胸を高鳴らせたんだ…。
俺の、片想いが始まった瞬間だった。

