気まずくなった私は、カイと視線を合わせていられなくなって俯いた。


ナオに何を言ったの?
何で監督の指示を無視して、
ナオのディフェンスを続けていたの…?


頭に浮かぶ言葉達はどれもナオの事ばかり…。
どれも、言ったらいけない事なのだから…。

私は、それ以外の言葉が見つからず、
『…お疲れ様。私、午後から用事があって帰るけど、午後も頑張ってね?』
と、俯きながらそう言って体育館を後にした…。



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本当は用事なんて何もなかったんだ。

でも、私はあの場にいてはいけない気がした。

違う…。

私自身が、いられなかったんだ。

何を言っても、私はカイを傷付ける事しか出来ないんだから…と。