その時、結衣ちゃんがパン!と手を打ち、
『とりあえず今日は海斗の応援だし?明奈は、平山さんって人は視界に入れないで、ナオ君だけ見てたらいいと思う!』
と言った。
その結衣ちゃんの言葉に、私の心は少し軽くなったんだ…。
今日はナオを見ていよう。
瞼に焼き付けるように…
もしかしたら、こうやってナオを見れる事はないかもしれない。
中学を卒業してから見れたのは今日を入れても2回だけだし…。
上杉君の言う通り、私はナオを諦めきれない。
けど、私はナオが今幸せなら、
それでいいんだ…
私は一度目を閉じて深呼吸してから、ナオを指差しながら絵里と結衣ちゃんに、
「あの人が、私の好きなナオなの。」
と、伝えたんだ…。

