--- 明奈と仲良くなって2週間が過ぎた頃。
散々”ウミちゃん”って俺をからかっていた明奈は、いつの間にか俺を”カイ”と呼ぶようになっていた。
昼休みは勿論、部活帰りも一緒にいる時間が増えていたんだ。
少しずつでも、明奈と仲良くなっている事に満足していた。
明奈の笑顔を見たいが為に”お姉キャラ”までするようになった。
明奈が笑顔でいられるなら、俺はそれで良かったんだ。
その週末、いつもの6人で映画に行く事になった。
映画の上映時間まで、近くの喫茶店に行こうという事になって、落ち着いた雰囲気のいい店に入りメニューを見ていたら、明奈が…
「ここのイチゴシェイク、果実が入ってて美味しいよねー?」
と、山口に向かって言ったんだ。
『えっ?そうなの?』
と山口が言い、どうやら知らない様子だった。
「あれ?美樹と来たことなかったっけ?」
「私は初めてだよ?明奈は一人で入れるわけないし…。誰と来たの?」
と、山口が何気なく明奈に聞いたんだ。
明奈は小さい声で…
『あ…。』と、それだけ呟いて俯いてしまった。
俺には分かったんだ…
明奈が一緒に来たのは…
【ナオ】だと…

