「ヨコシマって、お前…。」
結衣が何でそう言ったのかは分からなかった。
明奈の事は、結衣には気付かれていないと思っていたからだ。
『ヨコシマ』だなんて、何の事を指して言ってんだ…?
俺が何を考えているのか分かったのか、結衣は飽きれ顔をしながら話し出した。
「どうせ、グラビアの女の子の”水着萌えー”とか考えてたんでしょー?」
「はぁっっ?!」
「男バスの部室にグラビアの雑誌、あるんでしょ?男バスの先輩達が『ウハウハ』言いながら話してたよ?」
「ウハウハって…。ってゆーか、俺は見てねぇーぞ!…多分。」
「…多分ですか、お兄さん。」
「………。」
何でこんな話になったんだ?!
俺、見てない…とは言い切れないが、関係ねぇーよ!
そう思いながら、
『それは違うしっっ!』
と俺が言ったら、結衣は素っ気なく、
『そっ?残念。冷やかそうと思ったのに。』
と言って、笑ったんだ。
俺は、大きな溜め息をつきながら歩みを少し速めた。
その後ろで、結衣が泣きそうな顔をしながら、
『ホント…。バカ…。』
と言っていただんて、気付きもせずに…。

