最愛~あなただけが~

 案内された部屋は、2人にちょうどいい、掘り炬燵がある小さな個室。

「鷹野さん。
 コート、お預かりします。」

「ありがとう。」

 鷹野さんのコートを預かってハンガーにかける時、コートはまだ鷹野さんの体温が残っていて、タバコの匂いと、鷹野さんの匂いがした。


 私のコートの袖が、鷹野さんのコートの袖に少し重なって
 なんだか、手を繋いでいるみたいに見える。

 鷹野さんに気付かれたら、恥ずかしいような気がして
 私は、慌ててコートを少し離した。


「都築さん。座りなよ。」

「あ、はい。」



(・・・ち、近いっ。)


 小さな座卓に向かい合わせで座った鷹野さんがあまりにも近くて緊張する。
 掘り炬燵に伸ばした足が触れそうで、ヘンに力が入ってしまう。


「なんでも食べれる?オレのオススメ、適当に頼んでいいかな?」

「ウナギと牡蠣以外ならなんでも食べれます。」

「大丈夫。
 そんな高いもの頼めないから。」

 鷹野さんはそう言って笑った。
 鷹野さんが笑ってくれるだけで、飲んでもいないのにテンション上がりそう。