最愛~あなただけが~

「次は、森さん。」

 すぐに涼しい表情に戻って、紹介を続ける鷹野さん。


(・・・耳が、熱いよ。)


 鷹野さんの吐息がかかった耳が、じんじんと熱い。

 ドキドキが、止まらない。



「経理事務の中では森さんが一番長いから、俺や井戸腰課長が不在の時は、彼女に色々聞いてね。」

「あ・・・はい。」

「その隣が、市来さん。」

 そう紹介された女性が、ニコッ。と笑って会釈した。

 面接に来た時、ミーティングルームに案内してくれた女性だ。

 私も、軽く笑顔を作って会釈する。


「森さんと市来さんは今月末で退職するから、あと半月でしっかり引き継ぎしてもらうように。
 大変だろうけど。」


「・・・は?」


 目が、点。

 あと半月で、森さんと市来さんは退職!?