最愛~あなただけが~

「8時50分から朝礼だけど、その前に、経理の人間を紹介するね。」

 鷹野さんはそう言うと、私を横に立たせた。

「まず、井戸腰課長。
 経理で二番目に偉いひと。」

 鷹野さんの隣の席の、眼鏡をかけた太めの男性が顔を上げる。

「宜しく。」

「宜しくお願いします。」

「・・・ああ見えて、まだ31だから。」

 頭を下げた私に、こっそり鷹野さんが耳打ちした。

「!?」

 鷹野さんの吐息が耳にかかったのと、井戸腰課長がまだ31だという事実に驚いて、私は鷹野さんを見る。



 そんな私を見て、鷹野さんはいたずらっ子みたいに、ニッ。と笑った。