最愛~あなただけが~

 車は、会社から5分ちょっと走って駐車場に着いた。

「来た順に奥から詰めて停めることになってるから。」

 鷹野さんは私に車の鍵を渡しながらそう言った。

 私は鍵を受け取りながら頷く。


「じゃ、会社まで歩こうか。」

 車を降りて歩き出すと、鷹野さんはさり気なく私を歩道の右側に立たせて、自分が車道側に立ってくれた。


 そんな些細な心遣いが嬉しくて心がくすぐったい。


 こんなレディな扱い、今まで誰からも受けたことないから。



 鷹野さん・・・紳士。


 
「・・・背、お高いですね。」

 隣を歩く鷹野さんを見上げて、呟くように言った。
 昨日もそう思っていたけど、実際に並んで歩いて改めてその身長差に気付く。

 鷹野さんが私の方を見たので、慌てて目を逸らした。