最愛~あなただけが~

 昼休み、約束通り鷹野さんは来てくれた。


 インターホンが鳴って、受話器の向こうから鷹野さんの声が聴こえた瞬間、もの凄くホッとして涙が出そうになった。


「何か食べた?」

 玄関で出迎えた私の頬に触れながら鷹野さんは聞く。

「とりあえず、ゼリーだけ・・・
 食欲ないです。」

「また痩せるぞ?」

「・・・・・・・・」

 そう言われて、私は上目遣いに鷹野さんを見る。

「ははっ。
 “自分が感染したくせに”って顔だな。」

「いえ。そういうわけでは・・・・・ふ・・・ぇっくしょいっ!!」

 暖房のきいた部屋から出てきたら、玄関は寒くてくしゃみが出た。

「パジャマじゃ寒いだろ?
 まだ熱があるんだから、もう布団に入れ。」

「・・・ハイ。」


 暖房のきいた部屋まではほんの十歩もないのに、鷹野さんは自分が着ていたコートを私にかけてくれた。


 私の身体は、一瞬で鷹野さんの匂いとぬくもりに包まれる。