最愛~あなただけが~

 ふと、子どもの頃の記憶が甦る。

 眠りかけたとき、こんなふうにお父さんに抱きかかえられて運んでもらったっけ・・・

 そんなことを考えながら、鷹野さんの腕の中で、私は心地よい安心感に包まれていた。


「都築さん。
 部屋、何号室?」

「あ。203号室です。」

「ほら。鍵、出して。」

 鍵を渡すと、鷹野さんは私を抱きかかえたまま器用に鍵を開けた。

「お邪魔します。・・・ベッドは?奥の部屋?」

「はい・・・」

 まさか、鷹野さんが私の部屋に上がることがあるなんて思ってもなかったけど、日頃からちゃんと片付けてて良かった。
 散らかしてたら、女度ガタ落ちよね。


 なんて、熱でフワフワした意識の中、冷静に考えてるワタシ。