最愛~あなただけが~

「すみません。
 お待たせしました。」


 そこに立っていたそのひとは、長身で、シャドーストライプの濃紺のスーツに、深い深い青色のネクタイをして、ちょっと縁が太目のメガネをかけていた。


 声で、すぐにわかった。
『タカノ』さんだって・・・・・


 タカノさんもなぜかしばらくそのまま黙っていて、私は、本当に時が止まったんじゃないかって思った。



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 (・・・はっ!挨拶しなきゃっ!!)



「・・・あ、あのっ。都築璃子です。
 宜しくお願いします。」

 挨拶もしてないことに気づいて、私は慌てて頭を下げる。

「いえ、こちらこそ。
 急に面接に来ていただいてすみません。
 私、財務経理課の鷹野と申します。」

 大きな手の長い指から差し出された名刺。