最愛~あなただけが~

 今日は疲れたし明日は新年会だから、あまり飲む気分じゃないんだけどな・・・


 そう思いながらも、私はロッカーからコートを出して羽織る。


 ガチャ。

 ガチャ。


 更衣室から出たら、まだ火の点いていないタバコをくわえて事務所から出てきた鷹野さんとぶつかりそうになった。


「・・・あっ。お疲れ様でした。」

「お疲れ。
 明日も飲み会なんだから、今夜はほどほどにな。」


 鷹野さんに佳との電話のやりとり、聞こえてたんだ。


「・・・あの。
 鷹野さん、まだ残業されるんですよね?」

「うん。そうだけど?」

「私に手伝えることがあれば、私、まだ・・・・・」

 言いかけた私の言葉を遮って、鷹野さんは、いいよ。と、言った。

「彼氏、“喜三郎”で待ってるんだろ?
 それに、あとは資金繰りの一覧表だから、都築さんには手伝わせられない。」

「そう・・・ですか。
 じゃあ、失礼します。」

 鷹野さんに突き放されたような気がして、私は足早に階段を降りて“喜三郎”に向かった。