最愛~あなただけが~

 両親の結婚記念日をお赤飯とケーキで祝い、
 年越し蕎麦を食べながら紅白歌合戦を見て、
 私達はみんなで町内の大きな神社へやって来た。


 参道にはたくさんの出店が立ち並び、凄い人混み。


 少し先を歩く、佳の背中。


 はぐれそうな人混みでも、佳は決して私に手を差し伸べてはくれない。


「・・・・・・・・」


 私は、じ・・・っと、自分の手を見つめる。


 クリスマス・イヴの日、
 人混みの中で私の手を引いた、鷹野さんの大きな、強い手・・・



「パパ~。たい焼き買って!」

「先にお参りしてからな。」


 先を歩く親子の会話を聞きながら、
 数年後は、私も颯真もこんなふうに子どもを連れてこんなふうにここへ来るのかな・・・なんて、ふと考える。