最愛~あなただけが~

 空港から車で1時間。

 背後には山と眼下には畑や海が広がる長閑な田舎にある実家に到着した。

 田舎ならではの、広い庭つきの家だ。


「お父さんってば、佳くんが来るからって張り切っておつまみ作ってたのよ!」

「そうですか。
 お土産、ネットで取り寄せた焼酎にして正解でした。」

「ほら。うちの颯真がお酒はてんでダメでしょ。
 だからお父さん、佳くんと飲むのが楽しみなのよね~。」


 お母さんも、佳とお父さんが楽しそうに飲んでるのが嬉しいみたい。


「下戸で悪かったな。
 姉ちゃんと逆だったら良かったのに。」


 そう言ってむくれているのは、私より3つ下の弟、颯真。
 ザルの私とは真逆で、ちょっとのアルコールで立派に酔っ払ってしまう下戸。
 私が佳と付き合い始めた頃、颯真は中学2年生だった。

 颯真は佳を兄のように慕い、佳は颯真を実の弟のように可愛がって、今やもう本当の兄弟みたい。