最愛~あなただけが~

「当たらなかったですね。
 ビール、残念でした~。
 回収しまーす。」

 私は、鷹野さんからレジ袋を受け取ろうと手を伸ばす。


 袋を離そうとしない鷹野さん。


「・・・オレに触れられて、なんとも言えない気持ちになったから。とか?」

「・・・・・っ!」


 ズバリ、ビンゴ。
 でも、リアクションのタイミングを逃してしまった私。

 正解した場合のリアクションを考えていなかった・・・(←ばか。)


「ビール、いただきィ!」

 鷹野さんが、まるでいたずらっ子のようにレジ袋からビールを一本引き抜く。

「当たりって言ってないですよ!」

「黙ってるから当たりだと思ったけど?」

 そんなふうに子どもの嘘を見透かしたように笑われると、もう言い訳できなくなる。


「もういいですっ。
 運び賃ってことで差し上げます!」

 ムキになってそう言ったけど、まさか当てられるなんて。

「よいお年を。来年も、どうぞ宜しくな。」

「・・・鷹野さんも、よいお年を。」


 妻子ある鷹野さんを想う私に、いい年なんかこないかな・・・
 だけど、良くも悪くも年は暮れて明けていく。