「…どうして謝るの？なんで？」


「そんな風に思ってるって知らなかったから」




あたしの涙は二度と止まらないんじゃないかというほど溢れ出ていた。



その時、ふわっと初めての感触があたしの体を包んだ。



…君が初めてあたしを抱きしめてくれた。




「寂しくさせてごめんな」




君はそういうと少しだけ強くあたしを抱きしめ、言葉を続けた。




「俺、お前が好きだよ。

　小さい頃から知ってるから、

　いざ付き合うとか好きだって思ったら

　何喋ったらいいのかわからなかった。

　帰り道だって楽しくないから喋らないんじゃない。

　お前の事が嫌いだとか

　そういうに思ってるから目を合わせないんじゃない」




君は、そう言ったあとに少し体を離してあたしの耳元で囁いた。




「お前の目、見ちゃったらキスしたくなっちゃうから」




そう言ったあと君はあたしの額に唇をつけて、



あたしの目を見てくしゃっと笑っていた。



あ。



その顔。



あたしの大好きな笑顔。



小さい時からすごくすごく好きな君の表情。