何にも執着しない王様じゃなかったの? なぜ初対面の私にここまで感情をむき出しにするの? 噂とは違う王様の一面を見て、思わず口からでそうになった疑問。 それらを飲み込み、口を固く閉じた。 しばらくながれる沈黙。 静寂を切り裂いたのは王様だった。 「お前は、今日から俺の婚約者だ。 エレン・ドナ。」 「・・・・・・・・・・・・・え…?」 こん、やく、しゃ?